【(有)ALP】 Eメールレター シリーズ
  
     「FP久本の株式情報!」 vol.109 2006.07.05
 
 

7月5日(水曜日) 基調判断


本日の日経平均は反落です。前日まで4日続伸だったこともあって北朝鮮のミサイル発射を引き金に利益確定売りが先行、積極的に買い進む動きも見られず終日軟調でした。また、引き続き長期波動が上昇基調を形成しているとするシナリオに変更はありません。

NYが独立記念日による休場で手掛かり難の中を北朝鮮が早朝から日本海にミサイルを合計で6発着弾させるというネガティブな環境になったことを受け、4営業日連続で買い越していた外資系証券も売り越しに転じ、日経平均も4営業日ぶりに反落しています。

それでも日経平均は14,045円からの戻りを試す展開は崩れていないと考えます。上昇基調の中で起きがちな押し目場面であり(何らかの弱気材料を引き金として)、明らかな過熱状態になる前に14,045円からの戻りが15,700円程度で天井をつけたとは思えません。

また、ミサイル6発が日本海に着弾した割には日本株にリスクを感じた売り物が特に膨らまなかったことで、この落ち着きを引き継いでNY株も冷静な動きをするのではないかと予想します。あるいは北朝鮮のミサイル発射など意識すらしない可能性があります。

明日の地合いや日経平均の動きもNY株の動きや朝の外国証券の売買動向次第ということではありますが、極端なNY市場の下落や極端に外国証券が売り越すようなことがなければ日本株は売り叩かれることはないでしょう。というよりも売り込めないはずです。

やはり、本日の動きにもあったように、先の日銀短観を受けて国内景気が「回復」から「拡大」へと判断が傾きつつあり、内需関連の柱の一つである不動産株が物色されていたことからも日本のファンダメンタルズは良好であり、悲観する材料は特にありません。

むしろ何もなければ本日も全般堅調な展開が予想されていただけに、押し目形成によって相場の上昇トレンドの延命効果になったとも考えられます。外部環境に関係なく業績拡大が見込める内需関連や増額修正期待株の戻りを個別に狙うチャンスと考えられます。

本日もそうした観点からいくつか推奨銘柄を選んでみました。


相場を生きる!


〜 買い場到来! 〜

「テポドンは、いつ発射されてもおかしくない。」このことは、市場ではある程度予想されていたのですが、日本市場とってこのタイミングは良くも悪くも絶妙だったと思います。日経平均は短期間で700円も上げていて、いつ調整してもおかしくない状態。この事は昨日も書きましたが、そこでの発射だっただけに下落は避けれない状態でした。空売りをする人は、ここ数日での動きをみて、「上げきれない。ここは一度調整するはず!」と想定し空売りの持ち越しをした人も多かったのではないでしょうか。不謹慎ですが「おめでとうございます!」という感じですね。逆に、買いでホールドされていた方はがっかり。米国が休みで影響があまりないと想定してのホールドだったと思いますが、米国の独立記念日に発射。なにかハリウッド映画の設定に出てきそうなタイミングでした。しかし、ダメージは少なかったと思います。これも米国が休日で休みだったからです。米国人はこの手の地政学リスクを嫌います。よって本日は、寄りからあまり急落しなかったし、逆にリバウンドしたので、利食いできるタイミングが沢山あったと思います。

では、これからどうすれば良いのかということになるのですが、とりあえず日本株がどう動くのか分かりません。調整も中途半端と感じています。こういう時は買いポジションは外しておくのが一番です。売りたくない株はつなぎ売りで様子を見ることです。先ほども書きましたが、米国人はこの手の地政学リスクを嫌います。今晩のNYがどう動くのか?また、日本株を再び売り越すのか?など見極める必要があります。先ほど7発目が発射されました。やはり様子見の展開。

また、今から買い向かう人にとっては恵みの雨(不謹慎ですね。すいません)「やっと調整し始めた!」という一言ではないのでしょうか。安く買える絶好の買い場が到来しそうな展開です。ここ数日間、業績好転株などのチャートはどれも上がりすぎていて今からは買いづらい形をしていたと思います。明日のザラバ中の動きを見定め、この調整がどこまで続くのかを想定し、押し目を狙う事になります。

個人的な考え方ですが、今日の動きは、明日どうなるか分からない展開なので、買いポジションは一旦手仕舞い(つなぎ売り)して様子を見ますね。ここからの新規買いでホールドなんて私は考えません。リスクありすぎだと思います。逆に空売りホールドはリスク覚悟で狙える展開。買いポジホールドよりはリスクが少ないと思っています。

ちなみに「地政学リスク」といっても、米国がいきなり北朝鮮に対してミサイル攻撃を開始したり、空爆をはじめることもありません。北朝鮮が日本の都市部にミサイル打ち込みなど、よほどの事がない限り、まずそのような状態になるわけがありません。実際のところ、5〜10年計画で、北朝鮮問題をネタにしながらリーダーシップを取ることが米国の狙いだと思います。



相場トピックス


〜 北朝鮮ミサイル発射 〜

サッカーワールドカップの準決勝、イタリア−ドイツ戦をNHKで朝の4時から観戦していましたが、前半を終了した時点で臨時ニュース、

「政府関係者によりますと、北朝鮮が5日午前3時半ごろミサイルを発射し、ミサイルは日本海に着弾したということです。政府は、北朝鮮が発射準備を進めていた弾道ミサイル「テポドン2号」かどうかなど確認を急いでいます。」

が速報で流れました。今日の市場はやばいと思ったのは私だけではなかったのかも知れません。後半戦を見ている場合ではないと言うことですが、NHKも事の重大性にワールドカップの放送は3チャンネルの教育テレビに切り替わり、NHKでは少ない情報の中でミサイル発射のニュースを延々と放送していました。結局7時頃までに合計6発のミサイルが発射され、米国の報道によりますと、北朝鮮が米国の一部も射程に入る長距離弾道ミサイル「テポドン2号」も発射したとの情報も出ているようです。

日本政府としてはミサイル発射の情報を入手した直後から、首相官邸の内閣危機管理センターに安倍晋三官房長官らが集まり、情報収集と分析にあたり、更に関係閣僚による官邸対策室を設置するとともに、午前7時から安全保障会議を開き、対応を協議しています。午前6時すぎに首相官邸で記者会見した安倍長官は「我が国の安全保障、国際社会の平和と安定という観点から重大な問題で、北朝鮮に抗議し、遺憾の意を表明する」と述べました。

しかしこれが一体何の役に立つのか不思議でなりません。国内の危機管理ならまだしも海外に向けての危機管理に付いては日本は全く無力と言っても過言ではありません。日本政府として明確に北朝鮮のミサイル発射に対する抗議が出来ている訳でもなく、又、経済制裁を含め、具体的な対抗措置が取られる訳でもありません。全く指をくわえて見ているだけと言う事になります。その辺りの事を十分に北朝鮮も意識していて、どうせ日本は何も出来ない、ミサイル発射によって恐怖だけを与えてやろうと言う魂胆かも知れません。

ある経済研究所の見方では、今回のミサイル発射は金正日の意思ではなく、軍部の暴走によるものだとの見解を示しています。金正日と軍部はうまく行っておらず、勝手な行動をし出したとの見方があるようです。北朝鮮の対米交渉がうまくいかず、軍部が不満を募らせているため、金正日を無視して独断で行ったとの見方のようです。そうなれば北朝鮮は金氏の北朝鮮での威厳が低下していることになれば、今後行われる各国の経済制裁は相当にインパクトになるはずです。先ほどその経済制裁を実施すとのニュースが流れています。

「政府は5日午前の持ち回り閣議で、日本海側にミサイルを発射した北朝鮮に対して特定船舶入港禁止法を発動することを決めたと発表した。北朝鮮の貨客船「万景峰号」の国内入港を当面禁止する。」

まだまだ甘いような気がしますが、取り合えず仕方がないのかも知れません。 今後の展望を見極めたいと言うところでしょうか。


〜 防衛関連銘柄 〜

4274 細谷火工 証明弾
5631 日本製鋼 機関砲、装甲車
6101 ツガミ ミサイル製造用工作機械
6111 旭精機 銃弾
6203 豊和工業 防衛庁向け火器
6208 石川製作所 機雷、弾火薬
6807 日本航空電子 航空管制技術
6946 日本アビオニクス  日本初のバッジシステム
7004 日立造船 弾火薬、掃海艇
7007 佐世保重工 艦艇
7270 富士重工 軍用機
7407 日本飛行機 軍用機機体
7721 トキメック 軍用機部品、レーダー警戒装置
7963 興研 防毒マスク
7980 重松製作所 防毒マスク
8058 三菱商事 防衛庁納入実籍上位


〜 引け後のニュースから 〜

9873 ケンタッキーフライドチキン
5月中間期決算を発表、従来予想を大きく上回る内容となりました。経常利益が17.1億円予想から25.2億円へ、最終益が8億円予想から13.3億円というもので、従来の小幅減益予想から経常利益で前年同期比42%増、最終益で同50%増の大幅増益を達成しました。ケンタッキーの新製品効果による既存店好調などが寄与したもようです。戻り歩調の株価に弾みをつける発表となっています。


今日の推奨銘柄 (スイングトレード編)

ここでは、主にテクニカル分析とファンダメンタルズ分析を判断基準として銘柄を絞り込み、ザラバで仕込んでザラバで回転する超短期売買とは違って日中の株価が見られないスイングトレードで相場を手掛けている方向けにお薦めするコーナーです。基本的に仕込みから決済まで2〜3日を基本とし、最長でも1週間以内の投資を心掛け、仮に上がらなくても1週間以上は持たないことが原則となります。日経平均が連続して上昇するような地合いが良好な時や、反対に地合いが悪い時など投資する環境は常に同じではありません。その時の相場の地合いの強さや弱さを判断した上で柔軟な姿勢で売り買いしていただくことをお願いします。

5714 同和鉱業
出遅れ感が強い状態にあります。5月連休明けの下げが特に目立つ銘柄でもあり(リターン・リバーサルが期待できる株)、現在の水準は依然として出遅れています。営業33%増益と高い伸びを見せた前期に続き、今2007年3月期も増益が見込まれており、事業構造改革の推進によって中朝的な伸びにも期待があります。来期予想PERは15倍弱であり、株価、レシオの両面から出遅れ修正必至と考えられます。買いの狙いは1000円〜1020円でしょうか。

5981 東京綱
6月8日の205円から戻り歩調が続いていますが、引き続き中低位の好業績銘柄として注目したい銘柄であり、押し目を拾えればスイング・トレードは十分に可能と考えられます。メジャーな企業とは違いますが業界では最大手であるため「ぬるま湯体質」で一時期は経営難に陥りましたが、2003年3月期に赤字体質から脱却。着々と利益の拡大が続いており、今期・来期共に増収増益を予想、来期予想PERは16倍程度と特段の過熱感もありません。買いの狙いは259円〜262円でしょうか。

7261 マツダ
昨日までの4日間で終値ベースで94円上昇、短期的な過熱感の高まりから調整を求める声もありましたが、ここで北朝鮮のミサイル問題を契機に利益確定売りが膨らんでおります。しかし、依然として業績見通しが好調で株価には割安感があることで押し目買いを狙う向きが注目していると考えられます。3日から4日にかけての「窓埋め」がなされるとすれば730円程度まで下値を見込む必要はありますが、「押し目待ちに押し目なし」のごとく、それほど深押しもなく反発する可能性もあります。ひとまず、買いの狙いは746円〜749円でしょうか。

8332 横浜銀行
まさに「外部環境に関係なく業績拡大が見込める内需関連」と言えるのが横浜銀行ではないでしょうか。福岡銀行など地銀株物色の流れに乗って先週後半は高くなったほか、株主還元策の強化を目的として自己株式の取得枠を設定すると発表しています。本日は新日鉄が最大1000億円を上限に自社株買いの発表をしたことで好感されたように改めて蒸し返される可能性も高いと考えられます。890円〜894円が買いの狙いでしょうか。


今日の推奨銘柄(中期編)

中期狙いの投資を中心にお伝えしていきます。超短期の投資と違い、中期投資では、個別の銘柄の動向だけでなく、株式市場全体の流れも非常に重要な要素となってきます。株式市場全体の流れを知ることで、株式投資に対する多角的な見方を養うことができます。

5981 東京製綱   266円(1000株単位)
東京製綱はワイヤロープでは最大手、環境建材、電子部品ワイヤソーなどを手掛ける企業です。今3月期はソーワイヤが好調、ワイヤロープの値上げ効果などにより、経常利益で前期比22%増の49億円が見込まれています。また、6月にはベトナムにエレベータ用ワイヤロープの製販会社を設立、今秋には工場を建設、2007年中の創業を予定しています。中国、東南アジアではビル建設が急増、エレベータ用ロープの需要が拡大しており、人件費の割安なベトナムへの工場建設で価格競争力をつける方針です。秘術面でも高層ビルに強い高強度でテコボコのないワイヤロープを手掛けており、国内シェアの6割を握っています。株価は200円台まで調整したところから反転、5日移動平均線をサポートに上昇トレンドを継続しています。PER17倍台と割高感もなく、2.5円配当も魅力的です。株価位置には値ごろ感があり、300円台に向けた上昇継続が見込まれます。


明日の上場銘柄


明日の上場銘柄はありません。


〜 直近の上場銘柄 〜

3810 サイバーステップ(マザーズ)公開価格30万円・1株単位

公開価格の2倍、60万円まえ気配値を切上げたものの、初値は付きませんでした。公開株数4000株弱に対し、6500株程度の買い越しとなっています。パソコン向けオンラインゲームの開発を手掛ける企業です。現在運営中のゲームは2本となります。主力は最大8人まで参加可能な対戦型格闘ゲーム「ゲットアンプド」で、日本では5月から試験サービスを開始、その他韓国、中国、タイ、インドネシア、台湾でサービスを提供しています。オンラインゲームで独自の技術を持っており、上場前より人気化が見込まれていました。引続き上値を追う展開です。

8991 ライフステージ(ヘラクレス)公開価格19万円・1株単位

公開価格の2.1倍、40万4000円の初値をつけました。その後、ストップ高となる45万6000円まで上昇、大引けで比例配分となりました。分譲マンションの販売受託、不動産の再生・流動化を手掛ける企業です。売上の約6割は販売受託、2割強が不動産再生・流動化となっています。主力はマンションの販売受託で、同事業としては特段の割安感はないものの、不動産流動化事業への拡大に期待が集まっているもようです。



記載記事については、その内容において、正確性、信頼性、利益を保証するものではなく、原因のいかんを問わず一切責任を負いません。投資の最終判断、最終責任はご自身でお願いします。市場内外部要因により株価は予想に反して下落する場合があります。当社及び情報提供者は、本情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切責任を負いません。投資については自己資金の範囲内で慎重に行うようにして下さい。

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