【(有)ALP】 Eメールレター シリーズ
  
     「FP久本の株式情報!」 vol.87 2006.06.04
 
 

6月5日(月曜日) 基調判断


本日は日経平均は先週末の急騰の反動もあって反落しています。先週末のように急落すれば買いも入って戻すが上値を買い進むだけの手掛かりが乏しい相場のようです。しかし、長期のトレンドについては上昇基調を辿っているとするシナリオに変更はありません。

日経平均は先週の金曜日に長い下ヒゲを出現して急反発したことで底入れ感が強まっており、仮に今日は続伸とならなくても基本的には先週の15,266円から戻りを試している最中と考えられます。しかし、底入れ感は強くても買い進むだけの材料が不足しています。

NY株の動きに不透明感があるだけでなく外資系証券の8営業日連続の売り越しというのも買い方は気になります(本日は270万株の売り越し)。いくら村上ファンドの影響は織り込まれたとしてもゴールデンウィーク後の下落による心理的な傷も癒えてません。

今が買い場だと分かっていても買い手掛かりが今一つ乏しく、仮に買いたい銘柄があっても相場下落のダメージによって積極的になれない、市場参加者の精神的な支柱でもあるソフトバンクが落ち着かないなど買いに前向きになれない市場参加者も多いはずです。

しかし、現在の市場参加者のマインドや運用成績はどうあれ日本のファンダメンタルズや企業業績から考えて中長期的には今が株の買い場であるとする考えには大きな間違いはないでしょう。上値を買い進まなくても下値には大口筋の買いが入ってくるはずです。

よほどの外部環境にトラブルが発生しない限り日経平均の15,000円割れはなく、また下がれば戻すという発想で15,226円を「当面のボトム」とした主力クラスの銘柄のリバウンド狙いでしょうか。

本日もそうした観点からいくつか推奨銘柄を選んでみました。


相場を生きる!


村上氏が罪をすぐ認め、早期決着の方法をとりました。これは、すでにシンガポールに本拠地を移したところからも、今回の動きはある程度予想していたというこだったと思われます。村上氏にとっては最悪の状態になってしまった訳ですが、この早期決着の裏には、村上氏自身が元役所の出身であり、国家というものがどのようなものか熟知しているのと、今回のようなことが起ると今後どうなるのかしっかり理解しているため、抵抗せずにあっさり罪を認めたようです。

これは、納税者と税務署の関係にも似ています。解釈の相違があった場合は税務署が勝ちます。今回のインサイダー取引については、本来は、地検がここまで動くことはない内容でした。しかし、なぜここまで大事になったのか。それは「村上ファンドはやりすぎた。そして目立ちすぎた。」ということに尽きると思います。世間を敵に回してしまい、財界も敵に回してしまった。あとは政界が動きだして潰してしまう。

ただし、今回の村上ファンドについては、ライブドアの時のような、上場企業が上場廃止になるというショックはなく、影響は限られるという見方が多いそうです。また、解決策など早期に検討させていることや、阪神株については利益が出ている状態での放出となりますので、ここは一部関連株に影響あっても、村上ファンドはプラスのうちにそのファンドは解体できるのではないか、ということから影響は少ないといわれています。

市場関係者の懸念は、今後、ファンドなどに対する監視が強化されることで、とっぽいファンドや、株価操作まがいで強引に作ってくるファンド、海外の投機的なファンドが活動を監視されるのをイヤがるのではないか、という懸念はあります。しかし、ルールの中で活動すれば良いだけの話であり、そこまで問題にならないだろうと言う事らしいです。



相場トピックス


〜 村上ファンド 2 〜

先週末のビッグニュースである、特捜のインサイダー取引に関し捜査を進めているとの報道に揺れた相場ですが、週明けもその村上代表らを逮捕する方針が固まったとする報道に上値の重い展開が続いています。実際に本日逮捕された後の相場がどのようになるのかを見極めたいと言う投資家が多いのは確かですから、上にも下にも行き辛いと言うのが本音のようです。

ただ村上ファンドが発行済み株式の5%以上を保有する21銘柄は、阪神電気鉄道やTBSなどを除けば、時価総額の比較的小さい中小型株が多く、例えば、発行済み株式の33.99%を保有するソフト開発会社ウッドランドの時価総額は33億円で、売買を手掛けている個人投資家は限られているとの見方が強いようで、相場全体への影響は限定的との受け止め方は多いようです。

〜 外国人投資家売買動向 〜

相場の地合いの悪さに加えて、外国人投資家の売り姿勢が際立っていることで更に上値を重くしています。外国証券の寄り前の注文状況では本日で8営業日連続と売りスタンスを継続していますが、一部の見方では彼らの日本株に対する姿勢に変化が生じないと上昇基調に転じるのは難しいとの見方が出ています。実際に外国人投資家と相場全体の相関関係は高く、日経平均が昨年の8月から年末に掛けて4割程度上昇した時の彼らの行動を見れば鮮明に理解出来ると言う物です。

2006/02月 +4184
2006/01月 +6538
2005/12月 +3830
2005/11月 +16445
2005/10月 +10632
2005/09月 +15154
2005/08月 +19624
2005/07月 +11134
2005/06月 +824
2005/05月 +1324
2005/04月 +921
2005/03月 +8507
2005/02月 +7641
2005/01月 +7177

いずれにしても外国人投資家が買いに来なければ相場が上昇しないと言うことであり、そこまで相場を見守るしかないと言うことになります。では外国人投資家は何時になったら、日本株を買うかと言うことになります。やはりこの問題を解消する為には米国株の動きに左右させられることになります。米国はインフレ懸念からの利上げ懸念と景気の減速懸念の綱引き相場になっていますから、今一、方向性のない展開となっています。米国株が落ち着きを取り戻し、安定さえすれば、外国人もリスク許容度の上昇から日本市場にも資金を振り向ける可能性はありそうです。

〜 引け後のニュースから 〜

6778 アルチザネットワークス(マザーズ)
今7月期の業績を上方修正しました。経常利益で1.2億円予想を1.5億円に、最終利益で6300万円予想を9000万円予想へと引き上げています。通信計測器の開発業者で、携帯電話の基地局、交換機向けを主力としています。株価は6万円の大台を割り込んだところから反発しており、業績上方修正を契機に、8万〜9万円台を目指す展開が期待できます。


今日の推奨銘柄 (スイングトレード編)

ここでは、主にテクニカル分析とファンダメンタルズ分析を判断基準として銘柄を絞り込み、ザラバで仕込んでザラバで回転する超短期売買とは違って日中の株価が見られないスイングトレードで相場を手掛けている方向けにお薦めするコーナーです。基本的に仕込みから決済まで2〜3日を基本とし、最長でも1週間以内の投資を心掛け、仮に上がらなくても1週間以上は持たないことが原則となります。日経平均が連続して上昇するような地合いが良好な時や、反対に地合いが悪い時など投資する環境は常に同じではありません。その時の相場の地合いの強さや弱さを判断した上で柔軟な姿勢で売り買いしていただくことをお願いします。

6758 ソニー
主力クラスのリバウンド狙いの一つと言えばソニーでしょう。前期までは2期連続で業績好調でしたが今期は減益予想です。それでも携帯電話事業が下支えするほか、先日の次世代メモリーのMRAMの高集積化に道を開く技術を開発したという材料も地合いが改善すれば改めて蒸し返される有力な手掛かりでしょう。さらに、全社一丸となって守りから攻めの経営に転じてきている点も大いに評価されるべきです。買いの狙いは5130円〜5160円でしょうか。

7261 マツダ
たびたび取り上げるマツダですが、このマツダの700円以下は積極的に狙っていくべきだと思います。好調だった前期に続いて今期も欧州や米国の伸びに支えられて増収増益が予想されていることや、さらに来期に関しても増収増益予想であり、この利益の伸びは投資対象としては極めて相応しい銘柄と考えられます。PERも12倍台と出遅れ感が強く、チャートも今はほぼ下限に位置していると思います。買いの狙いは685円〜688円でしょうか。

7751 キヤノン
鉄板のように固い銘柄と言えるキヤノン。ソニーと同様にNY市場の動向や為替市場などにも影響を受けやすいキヤノンですが、それら外部環境が逆風となっても売り崩せる銘柄でもなく、また、外部環境が良ければ素直に急伸する銘柄でもあり、75日線の7910円近辺を支えに戻りに転じると予想します。買いの狙いは7870円〜7890円でしょうか。

8002 丸紅
これも出遅れ感の強い主力クラスの銘柄と言えます。今日は相場全体が不安定になったことで打ち消された格好になりましたが、ここで発表された総額440億円で受注したナイジェリアの火力発電所3カ所の据え付け工事に関しては素直にポジティブに考えていい材料と言えます。また、大手商社全体に言えることですがPERも依然として割安感が強い状態です。買いは609円〜611円でしょうか。


今日の推奨銘柄(中期編)

中期狙いの投資を中心にお伝えしていきます。超短期の投資と違い、中期投資では、個別の銘柄の動向だけでなく、株式市場全体の流れも非常に重要な要素となってきます。株式市場全体の流れを知ることで、株式投資に対する多角的な見方を養うことができます。

5631 日本製鋼所
日本製鋼所は大型鋳鍛鋼では世界トップクラス、射出成形機にも強みを持つ企業です。業績はエネルギー関連の好調を受けて好調、今3月期は経常利益は前期比15%増の135億円見通しとなっています。5日には東海東京調査センターが注目株として取り上げていることが材料視されます。原発向けに強みを持っており、世界的な原子力発電を見直す動きを中期的な業績拡大に繋がる材料として評価しています。5月には新中期経営計画を発表、2009年3月期に売上で2000億円、経常利益で155億円を目標にしています。前回の計画を2年前倒しで達成していることから、今回の計画に対しても前向きな見方が広がっています。株価は700円の大台を割り込んだところから反発、好調見通しを背景に、900円台に向けた戻り歩調が見込まれます。


明日の上場銘柄



明日の上場銘柄はありません。


〜 直近の上場銘柄 〜

2484 夢の街創造委員会(ヘラクレス)公開価格45万円・1株単位
99万円まで気配値を切上げましたが、上場初日に初値は付きませんでした。宅配サービスに特化した仮想商店街サイト、「出前館」を運営している企業です。利用者は「出前館」のサイトにアクセス、届け先の住所やジャンルを選択すると、配達可能な店舗の一覧や個別のメニューなどが確認できるというものです。

3037 スタイライフ(ヘラクレス)公開価格30万円・1株単位
2日の初値は公開価格を40%上回る42万円、一旦38.5万円まで下げるものの、その後はストップ高の47万円まで上昇、引けで比例配分となりました。上場2日目となる本日も買い気配スタート、大引けでストップ高の52万円での比例配分となりました。公募株数の10倍近い買い物が入っており、過熱感が高まっています。

2485 ティア(セントレックス)公開価格17.5万円・1株単位
初値は公開価格を15%上回る20万円、その後23万7000円まで上昇し、終値は21万円と堅調な値動きとなりました。上場2日目の本日もストップ高となる25万円まで上昇しています。初値上昇率がそれほど大きくなかったことから値ごろ感が台頭しているもようです。名古屋を拠点に葬儀場を直営・フランチャイズで21箇所運営する企業です。



記載記事については、その内容において、正確性、信頼性、利益を保証するものではなく、原因のいかんを問わず一切責任を負いません。投資の最終判断、最終責任はご自身でお願いします。市場内外部要因により株価は予想に反して下落する場合があります。当社及び情報提供者は、本情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切責任を負いません。投資については自己資金の範囲内で慎重に行うようにして下さい。

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発行元:有限会社アシストライフプランニング
担当:ファイナンシャルプランナー 久本伸治
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45.2006.04.24
46.2006.04.25
48.2006.04.25
49.2006.04.26
51.2006.04.26
52.2006.04.27
54.2006.04.27
55.2006.04.28
56.2006.04.28
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58.2006.05.01
59.2006.05.02
60.2006.05.02
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