【(有)ALP】 Eメールレター シリーズ
  
     「FP久本の株式情報!」 vol.71 2006.05.15
 
 

5月15日(月曜日) 基調判断


本日の日経平均は前週末のNY株安を受けて前場は大きく下げる場面がありましたが下げ渋っています。週明けのNYなど警戒すべき要因はありますが売り圧力は和らぎつつあります。また、長期のトレンドが上昇基調であるとするシナリオも変更はありません。

今日は外国証券の売買注文もNYの下落によってリスク許容度が低下したために大幅な売り越しとなりました(1470万株の売り越し)。先行きも依然として不透明です。先週末も申し上げましたようにNY株が落ち着いても円高が進行すれば日本株は下がります。

依然として原油高が世界経済を萎縮させてしまうとの恐れも根強く燻っており、NY株の週明けの動きも全く予想ができず、それ次第では日本株は全体的に落ち着いたのか、それとも下落途上にあるに過ぎないのか見当がつかないというのが実情だと思います。

それでも下げれば下げるほど下げづらくなっていくのも事実です。先週末に「下値予想(反発しやすい水準)を予想すれば、今のところ@16,340円近辺と考えています。その水準をも割り込むとなれば心理的にも重要なA16,000円となる...」と申し上げました。

本日の安値16,317円は、まず@の16,340円前後を意識した動きだったと思います。しかし、先程も申し上げたように環境次第ではAの16,000円まで下がる可能性はあり、本日の安値で下げ止まったと断定はできませんが下げづらくなってきたことは想定すべきです。

下げづらくなってきているということは個々の株価の動きにも、また投資家心理にも次第に表れてきています。ゴールデンウィーク明けに17,400円近くまであった水準から瞬く間に16,300円割れ近辺まで下落した「下げ幅」によって売り飽き感が強まっています。

つまり、悪材料が出て朝から全面安となっても大引けまで全面安は続かず、個別にはプラスに転じる銘柄も増えています。仮に大引けにかけて本日の安値となる「安値引け」となる銘柄であってもザラバは高いという投資妙味が出てきた銘柄が増えてきています。

ですから、毎日のように値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を上回る売り優勢の展開が続いていくとしても値上がり銘柄がある以上はトレーディングは可能であり、儲けられる相場なのか儲けられない相場なのかと考えた場合、儲けられる相場だと言えるでしょう。

暫く買いの手を休めていた大口筋が円高といったマイナス材料を嫌気するセクターや銘柄を避け逆風の吹いていない業績見通しの明るい銘柄などに手を入れてきていることも注目すべきでしょう。

本日もそうした観点からいくつか推奨銘柄を選んでみました!


相場を生きる!


〜 二度あることは三度ある? 〜

5月17日(水)。世間では「今の下落の超押し目(最安値)になるのではないか…」と言う思惑が広がっているようです。理由は、日経平均の安値が昨年、一昨年と不思議な事に重なってるんです。その日が5月17日。先週末の急落に加え、本日も同様の下げ幅と言う事でしたので、ますます今週の17日水曜日が安値になるとの期待感が広がる事になっているようです。既に多くのテクニカル指標では売られ過ぎと言う数字が出ており、打診的な買いを含め下値を買おうと言う動きが一部で出ている事は確かです。(もちろん、NYダウや為替など、今週どう動くのか見極める必要がありますが…)

それと、今週だけで多くの企業(全体の約4割!)が3月期の決算発表をしている事も注目です。個別株では、3月期決算の内容が事前予想よりも慎重になっているものもあります。これから日経平均が反発する局面で、ネガティブな材料として受け入れられる可能性もあります。ご注意ください!

それと、週末までに全体の9割強が決算発表を終える事になります。これで日本企業の全体像が見えてくることになります。よって、その結果が良くも悪くも相場に織り込まれる動きとなりそうです。5月17日が安値になるかどうかは分かりませんが、安値水準が日柄的に近い事だけは確かなようです。今週の押し目、突っ込み局面はまずは第一弾の買いとして入れるのがベストなシナリオと言う事でないかと思っています。


相場トピックス


〜 為替相場 〜

為替相場では円高・ドル安が進み、円・ドル相場は1ドル110円を割り込む動きとなっています。米国市場ではインフレと景気減速への懸念からドル安、債券安、株安の「トリプル安」が進んだ事が円高・ドル安の発生要因になったようです。円が急騰するとの見方は少ないものの、日米の金融政策の転換点が読みにくいことも、市場に気迷いを生む一因となっているようです。世界的な為替の流れは4月に行われたG7で、欧州中央銀行、日銀が揃って利上げを加速させるような可能性を示唆し、ドル安が認知される動きとなっています。又、5月初めに発表された米財務省の為替報告書で、中国が「為替相場操作国」として名指しされるとの見通しが広がったことなども一時的にしろドル安を加速させたと見られています。

このように表面上出ているドル安要因以外に、円・ドル通貨で言えば、多くの為替トレーダーが気にする日本の金融当局の為替相場への介入への警戒と言う事になります。「日本の財務省は1ドル105円以下にならないと介入してこない」と言う米国の著名金融情報アドバイザーの見方も、為替トレーダーの円買いの安心感に繋がっているようです。日米の金利差は依然として3%以上ありますが、現状の環境下で考えれば、ドルを買う投資家特に円キャリートレードを行う投資家にとって、リスクが大き過ぎると思われています。と言うのは円が110円を割れた現状で、ここから一気に100円に向けた動きは無いにしても、過去10年間で円が上昇を続ける確率は40%程度と見られています。

しかし、今回は過去の110円割れのケースと経済環境が類似しており、更にゼロ金利の解除の実施が近く、人民元の切り上げが遅くとも今年後半に実施される可能性が強くなっています。その為円キャリートレードの巻き返しが進めば更なる円高・ドル安が進む可能性が高くなります。この側面で予想すれば円・ドル相場が今年後半に掛けて、100円台前半を目指す動きになる確率は非常に高いといえそうです。日系メーカーの企業の事実上の為替の損益分岐点が90円台前半であるとの報告もある事を考えれば、目先余程の急激な円高にならなければ当局の為替介入はあまり期待出来ません。その意味で言えば、市場は円高・ドル安を容認することになります。円高を嫌気する株式市場も徐々にこの流れを受け入れざるを考えれば、相場の落ち着きところを探る展開になりそうです。


〜 引け後のニュースから 〜

7731 ニコン
前3月期決算と今期業績見通しを発表、今3月期の経常利益が前期比43%増の620億円となる見通しです。液晶パネルの大型化に伴うステッパーの販売増、手字たる一眼レフカメラの伸びなどが業績を牽引するもようです。前期の好調に続き、根気も大幅増益が見込まれることはプラスの材料となります。株価は全体安のなかで調整していたものの、サポートラインとなる75日移動平均線の水準は維持、上昇トレンドは崩れていません。好業績見通しを受けて反発、再び年初来高値圏に戻る動きが見込まれます。



今日の推奨銘柄 (スイングトレード編)

ここでは、主にテクニカル分析とファンダメンタルズ分析を判断基準として銘柄を絞り込み、ザラバで仕込んでザラバで回転する超短期売買とは違って日中の株価が見られないスイングトレードで相場を手掛けている方向けにお薦めするコーナーです。基本的に仕込みから決済まで2〜3日を基本とし、最長でも1週間以内の投資を心掛け、仮に上がらなくても1週間以上は持たないことが原則となります。日経平均が連続して上昇するような地合いが良好な時や、反対に地合いが悪い時など投資する環境は常に同じではありません。その時の相場の地合いの強さや弱さを判断した上で柔軟な姿勢で売り買いしていただくことをお願いします。

5016 新日鉱HD
新日鉱の1000円トビ台は買いだと思います。すでに決算を発表、前期は純利益が92%増の959億円、今期に関しては売上高が前期比8%増の3兆2650億円だが、経常利益、純利益共に現役が見込まれています。それでも会社側の見通しは「控え目」と市場では見ており、特にクレディ・スイスは1300円目標としていることに注目したいと思います。押し目を拾えれば確率高いリターンが狙えそうです。買いの狙いは1065円〜1070円でしょうか。

7832 バンダイナムコ
内需というものが買われる相場を想定した場合、バンダイナムコも注目すべきでしょう。前期はバンダイの玩具事業は好調に推移したもののナムコでのゲームソフト販売の苦戦が響いた内容でしたが、2007年3月期は次世代ゲーム機用の新作ソフト開発も進んでいるうえ、北米での廉価版の販売が減り単価が上昇すると見ていることで連結売上高は前期比4%増の4700億円、純利益は55%増の220億円を見込んでいます。特にソニーのPSなどに向けた新作ソフトの投入でソフト販売本数を前期の30万本から330万本へ大幅に増やす計画を示していることにも注目すべきでしょう。ここで任天堂が買われていることも(PS3ではなくWiiへの期待とはいえ)、意識する市場参加者もいるはずです。株価のトレンドもアップトレンドで推移しており、押し目は狙えそうです。1680円〜1685円が狙いでしょうか。

8002 丸紅
為替は依然として警戒材料かもしれませんが、相場為替水準が特に大きく変動していない中を日経平均も個別レベルでも反発したということは、そろそろ為替も109円台で一旦は転換しそうな気配であることと、相場全体が「為替離れ」を見せ始めている可能性があるとも考えられます。その意味では為替動向に敏感に反応する商社株が三菱商事、住友商事がプラスで終わったことは注目すべきです。特にトレーディングとしては丸紅は意識したいと思います。PERの割安感、業績の回復とファンダメンタルズの改善を評価する動きが継続すると予想します。狙いは661円〜667円でしょうか。

8088 岩谷産業
5月19日が決算発表。4月27日の457円から調整が進んでいましたが、下げ止まり感が漂っています。先日、2006年3月期の連結経常利益について、産業ガスや溶剤分野が好調なほか販売費や一般管理費の削減に加え受取配当金の増加も寄与したことなどで前の期比21%増の117億円になったようだと発表(102億円予想から)、あしもとでも好調な状態が続いているとの観測で今期予想にも期待があります。押し目に関しては強気で臨めそうです。狙いは424円〜427円でしょうか。



今日の推奨銘柄(中期編)

中期狙いの投資を中心にお伝えしていきます。超短期の投資と違い、中期投資では、個別の銘柄の動向だけでなく、株式市場全体の流れも非常に重要な要素となってきます。株式市場全体の流れを知ることで、株式投資に対する多角的な見方を養うことができます。

4733 OBC
中小企業向けの業務パッケージソフト「奉行」シリーズなどを手掛けています。5月からの新会社法施行に伴い連結会計の厳格化が求められており、会計のインフラ整備など新たな需要が見込まれています。また、マイクロソフトの次期OS「ビスタ」対応の製品を開発中、先行投資の影響で前3月期は2期連続の営業減益となったものの、来年1月の発売を機に業績への大幅な寄与が見込まれ、今3月期前期比19%増の大幅増益に転じる見通しです。新OS対応で他社をリードできる動きが来期以降の業績に対してもプラスに働くとみられます。4月後半には中国で2000人規模のソフト開発受託拠点を設置、日系企業最大の人材育成が注目です。これは景気回復に向けてソフト開発者の人材が国内で不足、中国での人材不足に先駆けての取組となります。また、中国版の統合基幹業務システムソフト「奉行シリーズ」の発売を予定しており、知名度向上を狙う効果も期待できます。1日付けではクレディスイス証券が投資判断を強気の「アウトパフォーム」で継続、目標株価を7800円から8300円へと引き上げています。株価は週足ベースで13週移動平均線をサポートに、日足でも25日移動平均線を抜けて下値を切上げる展開となっています。好業績・成長期待を背景に年初来高値6990円更新、7000円台半ばに向けた上昇が期待できます。



明日の新規上場銘柄

しばらく新規上場の予定はありません。



記載記事については、その内容において、正確性、信頼性、利益を保証するものではなく、原因のいかんを問わず一切責任を負いません。投資の最終判断、最終責任はご自身でお願いします。市場内外部要因により株価は予想に反して下落する場合があります。当社及び情報提供者は、本情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切責任を負いません。投資については自己資金の範囲内で慎重に行うようにして下さい。

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発行元:有限会社アシストライフプランニング
担当:ファイナンシャルプランナー 久本伸治
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