【(有)ALP】 Eメールレター シリーズ
  
     「FP久本の株式情報!」 vol.72 2006.05.16
 
 

5月16日(火曜日) 基調判断


本日の日経平均は朝方こそNYダウの上昇を好感した買いが優勢となって16,500円台でスタートし、先物では一時16,600円をマークしましたが買いが続きませんでした。それでも長期のトレンドが依然として上昇基調であるとするシナリオには変更はありません。

テクニカル的には騰落レシオが70台で推移しているほかボリンジャーバンドもマイナス2σを割り込む「レアケース」となっていることもあって反発を狙った買いが入りやすい状態でもありますが、持続力が今一つであり、デリケートな心理状態が続いています。

大きな要因は引き続き円高であり、あるいは原油高に伴った米経済と日本経済の後退観測が強まってきたことであり、あるいは週明けから2営業日連続で外資系証券が1000万株超の売り越しとなっていることなどでしょう。明日もどうなるか分からない状態です(汗)。

いくら「テクニカル的には反発するだろう」、「そろそろ売り飽き感が強まってきた」、「長期的には買い場だ」などと希望的観測を持ち出してきても明日の環境次第であり、それに伴った外国人投資家など市場参加者の心理一つで地合いが決まってしまいます。

今や資本市場が不安定なのは日本だけでなく、世界的に株式、金融、為替、商品などの各相場が不安定な状態が続いており、明日の投資環境が本日よりも少し改善したところで上値を買い進む動きは限られ、たとえ戻っても「朝だけ」といった展開が予想されます。

ここでは先程も申し上げたようにボリンジャーバンドがマイナス2σを割り込む「レアケース」となっていることもあって戻りやすいはずですが「レアケース」だけに、さらなるレアなケースを想定し、日経平均は16,000円、及び15,900円まで下値を予想します。

非常に心理的にもムード的にも買いづらい場面が予想されますが、本来は売り込まれないはずの銘柄の戻りをキッカケにして全体的に急反発する可能性があることも十分に想定しておくべきでしょう。

本日もそうした観点からいくつか推奨銘柄を選んでいます。
ただ、、これらの銘柄はあくまでも押し目からの短期狙いと思っておいてください。本当はスイングで値幅を狙えそうですが、全体の地合が悪すぎます。これには敵いません(汗)

よって、利益が出てたら確定していく事をお勧めします。

下げたら持たない… 極端ですが、それぐらいの気持ちが必要かもしれません!


相場を生きる!


皮肉な事に相場が下落すると各証券会社はレーティングを下げてきます。強気を中立から弱気と変更し、目標株価を下げてくものです。早くも、年内の日経平均の底は14000円というコメントが銀行系証券から ちらほら出てきています(汗)

このように、日経平均が下げてくると、投売りを誘うようなコメントが登場してきます。逆に日経平均が反発するとさらに高くなるというコメントにかわってきます。これは、それぞれの思惑(商売)に関係してくるので、売らせる場面では売らせまくるようです。そして、一般の投資家が投げまくると、どんどん整理が進んでいくということになります。

本日の日経平均は16158円(328円安)。この日経平均株価の位置で、今まで強気していた外国証券が強気から弱気という方針転換をしたところがでてきているようです。例えば、本日の朝のモルガン・スタンレーのレポート「東京タワーの電装が再び消える、第二オイルショック」という内容など。

追い討ちをかけるように、相次いで不動産会社の決算発表の延期や不祥事。監査ショックなどが具体的に出たことで不動産株全体に売りが出てきました。

3日前の16800円を下放れして、ここまでの急落の形はテクニカル的には「チャート崩れ」になっており、このままの動のままでは、短期間での戻りはかなり厳しい動きになってきています。下値支持線としてきた26週移動平均を11カ月ぶりに下回ってしまい、「中〜長期的に意識されていたサポートラインは崩れた=読めない」という状況です。
 
実際に、業界では、ここまでの崩れは、正直いって「ショック」のようです。ここまでくると、短期での戻りを期待するのではなく、一定期間の日柄がかかることを想定した上での戻りを狙うことになります。

実際に25日の移動平均からの下方乖離率5.38%、RSI、ストキャスティクス、東証1部の騰落レシオ66.70%割れは、05年4/18日以来とクイックで解説しています。

明日の朝は、よほどNYで急騰がない限り、残念ながら寄付は追証の清算が発生。「売り」からのスタートとなりそうです。そして、どこまでもいつまでも下がっていく…。しかし、それを放置する動きも考えにくいようです。先日〜本日同様、下値(押し目)では買いが入り、押し目を意識した動きが続くのではないでしょうか。結局のところ、日本株が元気になる条件は「外国人の買」「米国株高」ということだと思います。これからは、これらを意識し、「押し目」狙いとなりそうです。当面は日経平均全体よりも安くなります。逆に、50円以上にでもなれば、短時間でかつ値幅も少なく、回転することが理想でしょう。


相場トピックス


〜 良い金利の上昇 〜

世界的な金利の上昇が進んでいます。日本ではゼロ金利解除に向けて、市場では6月頃に解除されるのでは無いかと言った観測が出ています。尤も金融当局にとって見れば、市場が先走った金利の上昇観測を持つことを嫌いますから、昨日の日銀総裁の発言のように利上げを牽制する動きもあるようです。福井俊彦総裁は15日の講演で、「当座預金残高の削減を終えることとゼロ金利脱却とは全く別問題」と語り、市場の早期ゼロ金利解除観測をけん制しています。当座預金残高の順調な削減を背景に、市場では日銀は早ければ6月にも利上げに踏み切るとの観測が浮上していましたが、これに対して「あくまで経済・物価の判断で決まってくる」と語り、予断を持たずに臨む姿勢を強調しています。

と言っても金利が上昇する傾向にあるのは間違いなく、ゼロ金利が解除されるのが6月が秋以降になるというだけの違いであろうかと思われます。米国の長期金利は5%台、日本の10年もの長期債は2%台と依然3%程度の金利差がありますが、恐らくこの差は時間を掛けて縮まるものと予想されます。その動きは為替相場に如実に影響を及ぼしているようで、為替相場の円高・ドル安傾向を押し進めているようです。為替相場の面からも注目するべきは、中国の動きのようです。4月末に、中国人民銀行が市中銀行から企業などに融資する目安となる基準金利を1年半ぶりに引き上げると発表しました。日本の公定歩合に当たるものですが、世界的な資金の流れが中国の動向で変化を余儀なくされる事になりそうです。

一方で金利の上昇が株式市場にどう影響を及ぼすかと言うのが最大の注目となります。一般的に金利が上昇すれば、株式相場の下げ要因となると言うのが通常の考えですが、現状の株式相場は日本、米国、中国ともどちらかと言えば逆の方向に向かっています。金利の上昇が何処から生じているかが問題で、個別企業の生産活動が活発化し、それに沿うような金利の上昇が行われるのであれば、金利の上昇は株価を抑える要因にはならないと言うことになります。所謂「良い金利の上昇」といわれるものです。経済の実態が伴わない中でのインフレ懸念の下では「悪い金利上昇」となり、株価に悪影響を及ぼす事になるのですが、現状は経済の実態が伴ったものであると言えます。

また、経済が好調になると商品市況の上昇に繋がることになりますが、やや投機的な資金が入っていると言っても実際に原油価格、金価格など高値を付けています。金利や地政学的なリスクなどからの買いと言うような要因もあるのですが、底流には世界的な需要の増加が背景にあるようです。実際に金利が上昇するのは年末から来年以降になると思われますが、恐らく株式市場は前倒しで先取りする動きとなります。実際に金利の上昇で打撃を受けうるのは長期借入れ金の多い企業で、電力やガス事業者などがそれに当たります。又、金利の上昇は不動産にもマイナス効果を与えるといわれています。逆に金利の上昇で最も恩恵を受ける一つは大手銀行や地方銀行であると見られています。

銀行の貸し出し残高は2006年1月に約5年ぶりに前年同月比で増加に転じています。預金金利に比べて貸し出し金利が先行して上昇する事が見込まれており、利鞘の拡大が期待されています。大手調査機関の試算では、「市中金利が1%上昇したと仮定すれば、大手4銀行の合計の利益拡大メリットは7000億円強となる」としています。緩やかな金利上昇を長期的な国内の経済回復の反映とすれば、デフレ脱却で業績の改善が見込まるようになる、小売や住宅など内需関連銘柄が物色される事になりそうです。エコノミストでは長期金利が1%の上昇で経常利益が上振れる可能性のある銘柄として以下を上げています。ご参考ください!

4795 スカイパーフェクト
5901 東洋製罐
1988 ショーボンド建設
6986 双葉電子工業
1833 奥村組
6907 ジオマテック
1969 高砂熱学工業
6758 ソニー
9861 吉野家ディー・アンド・シー
1377 サカタのタネ
6332 月島機械
1961 三機工業
9747 アサツーディケイ
1924 パナホーム
3591 ワコールHD
1860 戸田建設
6457 グローリー工業
6201 豊田自動織機
6810 日立マクセル
2206 江崎グリコ

〜 引け後のニュースから 〜

6817 スミダ
スミダが今12月期の第1四半期決算を発表しました。経常利益が前年同期の約2倍、最終利益も同1.9倍と大幅な増益になります。既に10日には業績を上方修正しており、これに沿った内容となります。また、2006年4-6月期に初の四半期配当20円の実施も発表しました。四半期ごとの配当は5月からの新会社法施行を受けて可能となったもので、1-3月期は会社法が施行していないことや、手続き上の問題で見送りとなったものです。新会社法施行、初の四半期決算ということで注目を集めると見られます。


今日の推奨銘柄 (スイングトレード編)

ここでは、主にテクニカル分析とファンダメンタルズ分析を判断基準として銘柄を絞り込み、ザラバで仕込んでザラバで回転する超短期売買とは違って日中の株価が見られないスイングトレードで相場を手掛けている方向けにお薦めするコーナーです。基本的に仕込みから決済まで2〜3日を基本とし、最長でも1週間以内の投資を心掛け、仮に上がらなくても1週間以上は持たないことが原則となります。日経平均が連続して上昇するような地合いが良好な時や、反対に地合いが悪い時など投資する環境は常に同じではありません。その時の相場の地合いの強さや弱さを判断した上で柔軟な姿勢で売り買いしていただくことをお願いします。

4502 武田
100株単位。地合いが不安定で手掛けられるものが少ないこともあってディフェンシブのシンボル的な存在である武田が動くチャンスはあると予想しています。何も相場にトラブルがなければ手掛けたくなるような銘柄ではありませんが、ここまで相場が波乱の展開となった以上は狙ってみる価値はありそうです。前期は経常利益が2期ぶりに過去最高益を達成、今期も金融収益の伸びが見込めることで経常増益が見込まれており、業績に不安感はありません。7280円〜7310円が買いの狙いでしょうか。

5714 同和鉱業
本日はNY金が4月13日以来の安値となって下げ基調が鮮明になってきていることもあって住友鉱山が10%程度の下落となったほか三井金属、マテリアル、三菱伸銅など非鉄株が軒並み安となっており、この同和鉱業も例外ではありません。しかし、今日の下げで200日移動平均線の1100円近辺にまで達してきていることに注目したいと思います。金相場など商品相場も利益確定売りが一巡すれば長期的な投資資金が流入して再び戻すはずだけに、ここは同和鉱業もそろそろ急反発の場面が近づいていると言えそうです。念のために50週移動平均線の1060円から1080円程度のレンジを買いの狙いとすべきでしょうか。

6041 BOSCH
先日も取り上げたBOSCHですが、ここにきて高水準の商いが続いており、押し目を狙う分にはスイング・トレードは可能ではないでしょうか。先日もお伝えしたように第1四半期業績が前年同期比で売上高が14.2%増、営業利益が13.8%増、経常利益が10.6%増と揃って二桁の伸びになったことや通期見通しも増収、営業増益基調が見込まれていることからも出遅れ感と割安感を見直した買いが流入しているようです。また、この銘柄の場合は同和鉱業と違ってここにきて200日線を回復して株価が強い基調であることが改めて確認されています。買いは570円〜573円が狙いでしょうか。

8306 三菱UFJ
大手銀行株も軒並み安となっておりますが、背景には新興市場の下落で追い証が発生している個人投資家の「投げ」も絡んでいるようです。しかし、この下げ方は徐々に「セリング・クライマックス」的な下げとなりつつあるように見えます。三菱UFJは今年に入って1月、2月と75日線を割り込んで反発に転じていますが、本日も75日線の173万円を割り込んでおり、テクニカル的にはそろそろ反騰場面を迎える可能性が高いと予想します。世界最大の資産規模を有する同行はトヨタと同様、東京市場のシンボリックな銘柄でもあり、反発は近いと予想します。169万円・170万円が狙いでしょうか。


今日の推奨銘柄(中期編)

中期狙いの投資を中心にお伝えしていきます。超短期の投資と違い、中期投資では、個別の銘柄の動向だけでなく、株式市場全体の流れも非常に重要な要素となってきます。株式市場全体の流れを知ることで、株式投資に対する多角的な見方を養うことができます。

8001 伊藤忠
総合商社大手で資源の価格上昇を受けて業績拡大基調ながらPER10倍台と割安感が目立つ銘柄となっています。今3月期は石炭、鉄鉱石などの価格上昇と食品などの小売関連の拡大により経常利益で前期比4%増の2260億円、最終利益で前期比7%増の1550億円見通しと、過去最高更新が見込まれています。また、有利子負債も徐々に圧縮、財務体質の強化が進んでいることも評価できます。12日付けでは、ゴールドマン・サック証券が投資判断を弱気の「アウトパフォーム」から中立の「インライン」に引き下げ、PER面の割安感を指摘しています。同じく12日付けではSMBCフレンド調査センターがやや強気の投資判断「2+」を継続と、調査機関の評価も高まっています。
直近の株価は、全体安の中で調整ながら、サポートラインとなる75日移動平均線の水準を維持、PER10倍台の割安感を考えると下値不安は後退しています。週足でのサポートとなっている13週・26週線との乖離もほぼゼロにまで縮小していることから、ここから反転、徐々に1500円近辺を狙う展開が見込まれます。


明日の新規上場銘柄

しばらく新規上場の予定はありません。



記載記事については、その内容において、正確性、信頼性、利益を保証するものではなく、原因のいかんを問わず一切責任を負いません。投資の最終判断、最終責任はご自身でお願いします。市場内外部要因により株価は予想に反して下落する場合があります。当社及び情報提供者は、本情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切責任を負いません。投資については自己資金の範囲内で慎重に行うようにして下さい。

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

発行元:有限会社アシストライフプランニング
担当:ファイナンシャルプランナー 久本伸治
Eメール:info@e-alp.com
Tel&FAX:092-593-5759
〒816-0831 福岡県春日市大谷8-106-1-403
FP久本の全てがわかる!?
「保険見直しを成功させるヒント,実践のポイント」
無料Eメールセミナー随時配信中!(PC専用)
今すぐクリック!
 ↓↓↓↓↓
http://www.e-assistlive.com/

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■
   
     
お世話になっております
  


過去の記事
  
13.2006.04.07
14.2006.04.07
15.2006.04.08
16.2006.04.08
17.2006.04.09
18.2006.04.09
19.2006.04.10
20.2006.04.10
21.2006.04.11
22.2006.04.11
23.2006.04.12
24.2006.04.12
25.2006.04.13
26.2006.04.13
27.2006.04.14
28.2006.04.14
29.2006.04.16
30.2006.04.16
31.2006.04.17
32.2006.04.17
33.2006.04.18
34.2006.04.18
35.2006.04.19
36.2006.04.19
37.2006.04.20
38.2006.04.20
39.2006.04.21
40.2006.04.21
41.2006.04.23
42.2006.04.23
43.2006.04.24
45.2006.04.24
46.2006.04.25
48.2006.04.25
49.2006.04.26
51.2006.04.26
52.2006.04.27
54.2006.04.27
55.2006.04.28
56.2006.04.28
57.2006.05.01
58.2006.05.01
59.2006.05.02
60.2006.05.02
61.2006.05.05
62.2006.05.07
63.2006.05.08
64.2006.05.08
65.2006.05.09
66.2006.05.09
67.2006.05.10
68.2006.05.10
69.2006.05.11
70.2006.05.12
71.2006.05.15