【(有)ALP】 Eメールレター シリーズ
  
     「FP久本の株式情報!」 vol.92 2006.06.12
 
 

6月12日(月曜日) 基調判断


本日の日経平均は前週末のNY株安や外資系証券の売り越しを受けて軟調に始まり、寄り後に14,580円をマークしましたが先週の安値を割り込むことなく底堅く推移しました。引き続き長期のトレンドが上昇基調を辿っているとするシナリオに変更はありません。

週明けのNYの動きなど不透明要因はありますが、5月のゴールデンウィーク明けからの下げ相場もそろそろ落ち着きを取り戻しつつあるようです。本日の外国証券の大幅な売り越しも、市場関係者によれば「金額ベースでは売り買い同数程度」とされています。

外国証券の売買動向が数の上では大幅売り越しでも内容的には警戒するものではなくなったということで、本日は国内の年金の買いや投信の買いが入り始め、日経平均やTOPOIXといった指数は小動きでも値上がり銘柄は1000超と個別に高い展開となりました。

しかし、個別に高く日経平均も落ち着きを取り戻したからといって、今すぐにゴールデンウィーク明けからのベア相場が完全に終了したと断言することはできないでしょう。このまま日経平均14,389円がボトムとなって戻りに転じる可能性があることは確かです。

このまま14,389円を起点として上昇トレンドに転じ、少なくとも2カ月以上の上昇波動を形成して4月17,563円を更新する可能性はあります。5〜6月が上げ過ぎた反動安だとすれば、ここからは5〜6月の下げ過ぎの反動高が起きることも十分に考えられます。

そういうシナリオも考えられますが、先のことは無論分かりませんので今はまだ感覚として何となく「底入れ」を感じているだけであり、事実として「底入れ」が確認されたわけではありません。再びNYが3桁の下落を演じれば底入れ感も一掃されるでしょう。

NYダウが再び波乱となり、外資系証券も再び数量・金額共に大幅な売り越しとなれば「底入れか」と考えて本日や先週のSQ後に仕込んだ向きが一斉に「まだ早かった」と考え直してロスカットしてくる可能性もあり、14,389円安値も保証の限りではないのです。

かといって下げを期待することもありません。どうなるか分からないことだけに決めつけられないだけであって、底入れが確認されたら底入れした時に姿勢で臨めばいいでしょうし、そうでない今の段階では上げ下げのいずれも想定しておくべきだと思います。

従いまして相場全体の動きは引き続き安定でも不安定でもない、どうなるか分からないと想定した上で売られ過ぎ銘柄の戻りに狙いを絞った個別戦略で臨むべきだと思います。

本日もそうした観点からいくつか推奨銘柄を選んでみました。


相場を生きる!


〜 押し目 形成 〜

「本格的な戻りはいつ来るのか...」

市場関係者は目先の波乱明けを期待する声が高まってきています。本日よりサッカー熱は盛り上がり、経済効果を高めてくれれば満足。本日は、三井松島や富士興産、金門製作所、蛇の目、住友石炭、スピンドル、太平洋興発など低位株の浮上、石炭株の上げが目立ちました。

NYが高くなると、世界同時株高となる可能性あります。日本株も戻る時には一斉に戻る。日経平均の動きでは、一気に1万5000円は無理との見方もありますが、実際には買い需要が多くなり、外国証券筋の朝の連続売り越しが買い越しになる時、日本株の戻りは起ると見ています。

完璧な下値を当てることは誰にもできません。大手証券でも無理です。それゆえに、ここでは下値を集めていき、多少下げても買い増しする、という戦略をとるプロは増えます。リスクとりたくないケースでは、上がる相場の確認がしっかり見えてきたところから狙うことになります。

日経平均が戻ると、トヨタも松下電器も、ソニーも、みんな戻ることになると思いますが、長期では、ここの押し目は絶好の買い場になると思います。今後は、急落した株の中から、さらに短期的な効率と長期狙いの株など目極めが必要となりますが、ここからはあらゆる面で日経平均が戻してきた時、チャンスが生まれると見ています。

7242 KYB
8178 マルエツ
8091 ニチモウ
4004 昭和電工
2109 三井糖
7769 リズム時
8002 丸紅
6751 日無線
4617 中国塗料
6674 GSユアサ
6502 東芝


今夜はワールドカップ、オーストラリア戦です。初戦を勝つのと負けるのでは、テレビの売上げそのものに大きな違いが生まれると思います。経済のためにも、なんとか日本に勝って欲しいと思います。ここのところ面白いことが少なかった日本ですから、大いに盛り上がっていきたいですね!


相場トピックス


〜 米国市場見通し 〜

日経平均を先週1000円以上下げた、最大の要因は米国株の調整ということになります。そして米国株が調整した要因はインフレを警戒するFRBの利上げを巡る思惑の台頭ということになります。特にバーナンキ議長をはじめ、FRBの幹部の発言があちこちでインフレを警戒する発言がなされた影響から、その都度株式市場が反応するという動きとなりました。まず、米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長が週初めに、ワシントンで開いた国際通貨会議に出席し、米経済の動向について「中期的なインフレ見通しを特に注視する」と述べ、現時点では景気減速より物価上昇を強く警戒する姿勢を示しています。追加利上げ問題では「細心の注意を払って金融政策を運営しなければならない」と、なお慎重に判断する意向を表明しっました。 

市場では議長のインフレ警戒が強まったとの受け止め方が大勢となり、5月の雇用者数の増加幅が予想を下回ったことで6月28日、29日、両日の次回米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを休止するとの見方が広がっていましたが、この発言で利上げ続行の観測が急浮上することになりました。尤も、議長は利上げの必要性に直接言及してはいないのですが、株式市場はこれを「バーナンキショック」として敏感に反応したようです。

議長は原油価格の高騰や労働需給の引き締まりなどを背景とする消費者物価(エネルギーと食品を除くコア指数)の上昇率拡大に触れ「物価安定の目安となる範囲の上限か、それを上回る水準。歓迎できない動きだ」とも言明。「FOMCはコア指数上昇が続かないよう警戒を怠らない」と、当面はインフレ抑制を優先する考えを示しています。半面「米経済が転換点を迎えたのは明白」として、景気減速にも注意する必要があると主張しましています。

更にアトランタ連銀のグウィン総裁が講演会で「インフレが厄介な水準にある」と発言しています。グウィン総裁は5月上旬に景気に配慮した発言をしていただけに、FRBのイメージはインフレに優しい「ハト派」から、インフレを封じ込める「タカ派」へ転換しています。又、カンザスシティ連銀のホーニグ総裁が「インフレ予想が金融政策に先行しているかも知れない」と先のバーナンキ発言を踏襲した内容の発言をしています。更にはオルソンFRB理事が「住宅ローン市場では一部滞納金が増えている」と景気足踏みを示唆し、セントルイス連銀のプール総裁が「景気が減速してもインフレの勢いを止めることはできない」と発言しています。この結果、長期金利に比べて政策金利に連動しやすい短期金利の上昇幅が大きくなり、長短金利差が縮小しています。

このようにFRB幹部のインフレ警戒を巡る発言はバーナンキ議長を初めとして明らかに市場を誘導する意図があるかのような内容で一致しています。まさか混乱させるための一致ではないのでしょうが、意に反して株式市場はインフレ阻止の為の金利上昇を米国の景気減速に繋げているようです。FRBがインフレが加速するくらいなら、景気が減速するのは致し方ないという判断をしているのでは無いかといった見方をしているようにも思えます。

FRBにとってもバックには米国政府がいる訳ですから、安易に米国景気が減速するような政策をとりような事があれば、米国政府も黙って見ている訳でも無いでしょうから、FRBにとって見れば、口ではインフレ、インフレと言っている反面、どこかで利上げは休止しなければいけないという思いに駆られているのかも知れません。

実際に専門家の間でも見方が分かれる傾向にあります。バンク・オブ・ニューヨークのトレーダー、アンソニー・コンロイ氏は「ダウ工業株30種平均の1万ドル割れもあり得る」と予想しています。「FRBのインフレ警戒姿勢は強く、夏か秋まで株価も軟調な展開」と見ています。更には「一時的な調整」とみる向きもいるようで、ディシジョン・エコノミクスのアレン・サイナイ氏はフェデラル・ファンド(FF)金利は年内に5.5%まで上昇するものの、「米景気は堅調を続けており、株式相場への影響は大きくない」とみています。投資助言会社社長のピーター・カネロ氏は「売りは一巡した。今後は1万1100一600ドルの範囲で相場が続く」とみています。

又、マイケル・モラン氏(米国大和証券チーフ・エコノミスト)は「投資家は利上げ休止時期が近いと思っていたが、FRB幹部による追加利上げの示唆発言が相次ぎ、株価が下落している。株価低迷が長く続くとは思わない。劇的な上昇はないにしても、今の水準をやや上回る程度までは回復すると思う。FRBは6月と9月にそれぞれ利上げして、FF金利は年内に5.5%まで上昇する。株式相場への影響はさほど大きくないだろう。世界の主要国が金融引き締めに向かっており、株式市場には重しとなる可能性がある。しかし米経済は堅調さを維持できると思う。」

アレン・サイナイ氏(ディシジョン・エコノミクスのチーフ・グローバル・エコノミスト)は「米株式相場の下落は一時的な調整だ。利上げの休止時期が明確になるまで調整が続き、今から最大4―5%下がる可能性がある。ダウ平均は1万500ドルまで下がることも考えられる。6月下旬の米連邦公開市場委員会(FOMC)直後、あるいは夏に株価は上昇に転じる。年末にはダウ平均は1万1000―1万1500ドルになるだろう。利上げは6月に5.25%に引き上げていったん休止。その後9月と12月に0.25%ずつ引き上げると見る。経済に大きな影響を与えるほどの金利高ではなく、堅調な状態は続くだろう。」といったところです。

専門家の間でも意見の分かれるところですが、結局は6月 28、29日のFOMCでの結果を見極めるまではもやもやした相場展開が続くことになりそうです。

〜 引け後のニュースから 〜

4641 アルプス技研
今12月期の業績を下方修正しました。経常利益で17.5億円予想が16.1億円へ、最終益で9.5億円予想が7.4億円へと引き下げられました。経常益が前期比9%増予想からほぼ横ばいに、最終益は同19%増益予想が一転、8%減益見通しとなりました。技術者派遣を手掛けており、景気回復を背景に業績を拡大、今期も最高益更新が見込まれていた中での減益に失望感が広がると見られます。株価は目先の調整から上昇を試す展開にあったものの、再び年初来安値圏に沈む動きが予想されます。


今日の推奨銘柄 (スイングトレード編)

ここでは、主にテクニカル分析とファンダメンタルズ分析を判断基準として銘柄を絞り込み、ザラバで仕込んでザラバで回転する超短期売買とは違って日中の株価が見られないスイングトレードで相場を手掛けている方向けにお薦めするコーナーです。基本的に仕込みから決済まで2〜3日を基本とし、最長でも1週間以内の投資を心掛け、仮に上がらなくても1週間以上は持たないことが原則となります。日経平均が連続して上昇するような地合いが良好な時や、反対に地合いが悪い時など投資する環境は常に同じではありません。その時の相場の地合いの強さや弱さを判断した上で柔軟な姿勢で売り買いしていただくことをお願いします。

5802 住友電工
100株単位。チャート的にはすでに5月24日の1573円水準で底入れした感があり、その後の相場全体の下落の中でも値を保っていることには驚かされます。先週の週末の安値はダメを押した格好となっており、下値余地はすでに限られたものではないでしょうか。好調だった前期に続いて2007年3月期も好調な見通しで最高が見込まれており、押し目は拾っていくべきでしょう。1580円〜1600円が買いの狙いでしょうか。

7762 シチズン
200日線割れが視野に入っていましたが、このまま200日線を割り込まずに戻りに転じる可能性が高いようです。前期業績は減収減益でしたが、今期は電子部品の伸びが見込めることで増収、最終増益が予想されており、来期も増収増益予想と安心感があります。また、信用取り組み倍率が0.38倍と買い戻しが入りやすい状態にあり、今後は底堅い動きが予想されます。買いの狙いは1045円〜1055円でしょうか。

8303 新生銀行
先週は200日線絡みの動きとなり、再び200日線上に浮上したことで底入れ感が強まっています。業績見通しに関しては不透明感は乏しく、前期に続いて今2007年3月期、2008年3月期も増収増益が見込まれており、一方ではPER11倍台という割安感が際だっている状態です。相場の地合いに関しては何ら保証の限りではないものの(先程も申し上げたように)、ここからの下値には強い下方硬直性を感じます。買いの狙いは726円〜730円でしょうか。

8604 野村HD
100株単位。日経平均の先週末の下げ止まりと歩調を合わせるように野村もコツンときた格好をしています。日経平均が長期的な下降トレンドに転じてしまったとすれば別ですが、そうではないとすれば、こうした主力株は買い場であれい、また、日本株の再浮上は主力株からだとすれば時価近辺は狙いと考えられます。再び売られることがあっても下値余地は限定的でしょう。買いの狙いは2045円〜2070円でしょうか。


今日の推奨銘柄(中期編)

中期狙いの投資を中心にお伝えしていきます。超短期の投資と違い、中期投資では、個別の銘柄の動向だけでなく、株式市場全体の流れも非常に重要な要素となってきます。株式市場全体の流れを知ることで、株式投資に対する多角的な見方を養うことができます。

4768 大塚商会
大塚商会は独立系で、システムインテグレーションから保守サービスまでを一貫して手掛ける企業です。個人情報保護法施行などを背景にセキュリティ関連が伸長、オフィス用品のカタログ販売「たのめーる」も拡大しています。今12月期は経常利益絵前期比8%増、最終益で同12%増見通しで、過去最高益更新見通しとなっています。直近では、追加機能が容易なISカードの発売を発表、入退室や複合機の利用認証などの機能をカードを回収することなく追加で加えることが可能で、1枚のカードでオフィス内の多用途への利用が可能なものです。大塚商会は、機器の販売だけにとどまらず、開拓した営業先にトータルでのシステム導入や保守などを受注することを強みに業績を拡大しています。現在の会社予想は非常に保守的で、2008年12月期までの中期経営計画は1年前倒しで達成の可能性が指摘されています。株価は1万2000円の大台で下げ止まり、大陽線のローソク足出現で、反発機運が高まっています。PER29倍台の現水準に割高感はなく、1万5000円の大台に向けた上昇スタートが期待できます。


明日の上場銘柄


明日の上場銘柄はありません。

〜 直近の上場銘柄 〜

2929 ファーマフーズ(マザーズ)公開価格23万円・1株単位
公開価格を37%上回る31万4000円の初値を付け、直後に34万1000円まで上昇したものの、26万4000円とストップ安で引けました。出来高は4万8000株弱と、公募売出株数の4倍近くに達しました。機能性食品素材の研究・開発を手掛ける企業です。鶏卵や野菜などから生理活性物質を探し、機能性の実証や量産技術を確立しています。「GABA(アミノ酸の一種)」の売上高が6割を占めており、江崎グリコや日本コカコーラへ供給しています。高値で買った投資家が多く、当面上値の重い展開が予想されます。


8885 ラ・アトレ(ヘラクレス)公開価格30万円・1株単位
公開価格の2.4倍となる70万5000円まで気配値を切上げたものの、上場初日に初値は付きませんでした。中古マンションを改装して販売する事業を主力に、新築マンション、戸建ての開発なども手掛ける企業です。開発物件は多岐に亘り、幅広い価格帯の物件を手掛けるものの、営業地域は首都圏の1都3県に集中させています。直近では不動産投資顧問業の登録を済ませ、不動産ファンド事業への参入を準備しています。引続きの気配値を切上げる動きが見込まれます。



記載記事については、その内容において、正確性、信頼性、利益を保証するものではなく、原因のいかんを問わず一切責任を負いません。投資の最終判断、最終責任はご自身でお願いします。市場内外部要因により株価は予想に反して下落する場合があります。当社及び情報提供者は、本情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切責任を負いません。投資については自己資金の範囲内で慎重に行うようにして下さい。

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発行元:有限会社アシストライフプランニング
担当:ファイナンシャルプランナー 久本伸治
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