【(有)ALP】 Eメールレター シリーズ
  
     「FP久本の株式情報!」 vol.91 2006.06.09
 
 

6月9日(金曜日) 基調判断


本日の日経平均はNY株が落ち着きを取り戻したことに加えSQ通過や円安を好感して朝のうちはシッカリでしたが買い続かず、再び前日の安値を割り込んでいます。しかし、引き続き長期のトレンドが上昇基調を辿っているとするシナリオに変更はありません。

昨日も申し上げましたように「長期的には上昇トレンドを維持している」、しかし、「短期的には依然として底入れ完了と言い切れない」という状態が続いています。やはり、外国人の日本株離れの動きが影響を与えています(本日は差し引き3360万株の売り越し)。

それでも、どんどん株価が低水準になっていることもあってカラ売りによる値幅妙味が薄らいできているとの指摘もあります。とはいえ週明けも外国証券の売り越しが続く可能性も高く、買い方にとってはNYの動向に関わらず予断を許さない状況にあります。

日経平均の下値予想ですが、まだ若干の下ブレ余地がある可能性はあります。今日のSQ通過でアク抜けして急反発すれば昨日の14,496円安値に信頼感があったのですが、年初来安値を付けた直後にしては力強さがないことで下値メドを修正する必要があります。

これまで今回の下げは昨年の10月21日の12,996円安値から今年4月7日の17,563円までの上げ幅4,567円に対する調整としてきたため14,770円、14,520円といった下値メドを想定してきました。しかし、それらの水準を割り込んだ今、見直しが必要となりました。

そこで気づいたのですが、そもそも10月21日の12,996円からカウントしていることが誤りではないかと思うのです。考えてみると今回の相場は「外国人売り」であり、その反対の「外国人買い」が目に見えて増え始めた時点からカウントするべきだと思うのです。

であるとすれば、外国人が日本株を積極的に買い始める動機となった「衆院解散」の8月8日、11,614円からカウントすることがより現実的だと考えました。その場合、11,614円から4月の17,563円まで上げ幅にして5949円。これを黄金分割比の1.618で割ります。

5949円÷1.618=3,676円、これを17,563円から差し引くと=約13,890円となります。つまり、「改革路線」を期待し評価して積極買いを始めた頃からカウントすると、今回のボトムは14,000円を少し割るのではないかということです。そして、それを大底と考えます。

「今後の外国人の態度次第」「今後のNYの動向次第」という東京市場の生殺与奪の権が外部要因に奪われている状態であり、いくら反発を予想をしても実際にはどうなるかわかりません。しかし、下げは現在進行形ですが「終焉」が近いことも事実でしょう。

ここで仕込みや新規買いを狙っても今晩のNYの動きや週明けの外国人の注文動向を考慮した上での慎重なトレーディングが要求されますが、引き続き主力株からの戻りに注目しておくべきでしょう。

本日もそうした観点からいくつか推奨銘柄を選んでみました。


相場を生きる!


〜 4回目のチャレンジ! 〜

「来週の相場に期待が持てそうですね!」

このフレーズ言い続けて何回目でしょうか(汗) とにかく米国次第ということになりますが、今回は期待できるかもしれません。なぜかと言うと今朝のNYダウの動きがセイリングクライマックス的な動きで、出来高も増加。底を形成しやすい形のチャートが出来上がっているからです。それに悪材料は日増しに織り込みつつあり、利上げ懸念も消化してきているようです。

「米国株の反発なくして、世界株の反発はありえない」

今晩のNYダウの動きと、バーナンキFRB議長の発言に注目ですね!


相場トピックス


〜 売られ過ぎ 〜

昨日の東京株式市場では東証1部の騰落レシオは54.39%を付け、1995年6月13日の54.30%以来、約11年ぶりの水準まで低下しています。騰落レシオは相場の過熱度合いを測るテクニカル指標の一つで、値上がり銘柄数を値下がり銘柄数で除して算出し、80%を下回ると経験的に「売られすぎ」であるとされます。

今週の下げ幅は1100円強となり、相場を取り巻く環境にまだ改善の兆しはみえませんが、市場では「投資指標などからみて売られ過ぎ」との見方も出ています。業績面などから割安感のある銘柄も増えており一部ではそのような銘柄を選別する動きがでています。相場急落により、売られ過ぎの水準を示唆する投資指標が増えてきており、先ほどの当落レシオに加えて日経平均の25日移動平均(1万6063円)からの下方乖離率も8.9%と、約2年ぶりの水準です。

日経金融新聞に出ているものですが、さわかみ投信の沢上篤人社長は、「今日も買い注文の伝票整理で忙しかった」と声は明るく、「短期的な需給で株価が上下しても、会社そのものが急変するわけではない」と5月下旬から積極的に買いを入れているそうです。別の独立系投資顧問のファンドマネジャーは「世界的な株式下落に巻き込まれた好業績銘柄の選別を進めている」と、業績面から安心感のある銘柄に買いを入れるタイミングを狙っています。

日経金融新聞によると相場が底値圏に近いとみた投資家は、どんな銘柄に注目すればいいのかとして、2007年3月期の業績見通しで純利益が10%以上の増益、予想PERが市場平均の19倍以下の銘柄を対象に、日経平均が年初来高値を付けた4月7日からの下落率をランキングしています。

5471 大同特殊鋼
6305 日立建機
5233 太平洋セメント
1812 鹿島
5334 特殊陶
5486 日立金
8015 豊田通商
5706 三井金
7202 いすゞ
6481 THK
6923 スタンレー
9001 東武
8583 UFJニコス
6473 ジェイテクト
6952 カシオ
8585 オリコ
7261 マツダ
3404 三菱レイヨン
4063 信越化学
9062 日通
4208 宇部興産
8031 三井物産
6460 セガサミー
4631 インキ
8002 丸紅
3401 帝人
6472 NTN
8564 武富士
8574 プロミス
4188 三菱ケミカルHD

更に東証1部の中で25日移動平均線が10%以上乖離しており、更に6月8日のローソク足の形が典型的な底入れを示唆している銘柄をリストアップしました。あくまでもテクニカル的な判断で選択した銘柄群ですから、業績面などファンダメンタルズについてはより選別する必要がありますが、いずれにしてもこれだけ、下振れした銘柄が数多く出るのは確かに異常な動きに違いありません。相場の底入れを明確に当てる事は難しいとは思いますが、どこかで「コツン」と来るタイミングが早晩訪れることを考えれば、このような「売られ過ぎ」銘柄を常にチェックしておく事が肝要です。

東証1部 25日線10%超マイナス乖離銘柄
コード 銘 柄 6/8
終値
出来高 25日線
乖離
コード 銘 柄 6/8
終値
出来高 25日線
乖離
6335 東京機 338 1387 -25.2 6146 ディスコ 5760 232 -14.3
7122 近畿車 423 784 -22.3 1983 東芝プラ 542 578 -14.3
5804 菱線工 167 1450 -21.6 6717 富士通ア 626 88 -14.2
8052 椿本興 392 101 -21.5 2792 ハニーズ 4600 175 -14.2
7968 田崎真珠 474 476 -20.8 1893 五洋建 159 13925 -14
1870 矢作建設 434 67 -20.4 6981 村田製 6650 101 -13.8
8703 カブコム 190 24452 -20.3 8058 三菱商 2120 15245 -13.8
6731 ピクセラ 1060 64 -19.9 4726 SBテク 1550 30 -13.6
6507 神鋼電 409 1895 -19.3 8175 ベスト電 406 1030 -13.6
8020 兼  松 178 8707 -19 6366 千代建 2035 2916 -13.5
5457 住友鋼管 582 137 -18.4 4021 日産化 1406 3158 -13.5
4007 日化成 220 478 -18.4 7626 ドッドB 745 227 -13.2
6218 エンシュ 301 611 -18.3 3882 紀州紙 220 922 -13.1
9984 ソフトバ 2305 47236 -18.2 4043 トクヤマ 1528 3195 -12.7
5807 東特線 179 217 -18.1 8158 ソーダニ 430 39 -12.6
7860 エイベッ 2565 458 -18 8804 東建物 1076 2933 -12.2
1720 東急建設 147 3383 -17.7 7971 東  リ 374 297 -12.1
4611 大日塗 165 1454 -17.7 7224 新明和 545 521 -12.1
6358 酒井重 259 359 -17.6 1719 ハザマ 241 739 -12
6101 ツガミ 675 1279 -17.6 7236 ティラド 450 844 -12
5631 日製鋼 663 12157 -16.9 6349 小  森 2125 428 -11.8
8091 ニチモウ 228 263 -16.7 8603 日興コー 1491 6878 -11.6
5142 アキレス 183 671 -16.4 8356 十六銀 619 735 -11.3
4109 ステラ 4760 225 -16.2 9600 アイネッ 850 23 -11.2
6302 住友機 941 5046 -15.9 9602 東  宝 1862 520 -11.1
5453 洋鋼鈑 390 466 -15.6 8238 伊勢丹 1910 2732 -10.6
8803 平和不 639 1402 -15.4 8181 東天紅 280 54 -10.5
9726 近ツーリ 421 1289 -14.8 7723 愛時計 373 25 -10.3
3321 ミタチ産 1030 11 -14.7 1824 前田建 589 874 -10.3
1868 三井ホー 763 346 -14.4 8802 菱地所 2075 13283 -10.3


〜 引け後のニュースから 〜

3335 ADM
ADMは4月中間期決算を下方修正しました。売上は従来の85億8600万円予想から93億4600万円へと引き上げられるものの、経常利益は9700万円予想が9600円に、最終益は4800万円予想が4400万円へと引き下げられました。デジタル家電や携帯向けアナログIC、DSPなどを扱う商社です。下期からの収益回復が見込まれているものの、やや失望感を誘う内容となっています。株価は年初来安値圏に沈んでいるものの、もう一段の下落の可能性が高まります。


今日の推奨銘柄 (スイングトレード編)

ここでは、主にテクニカル分析とファンダメンタルズ分析を判断基準として銘柄を絞り込み、ザラバで仕込んでザラバで回転する超短期売買とは違って日中の株価が見られないスイングトレードで相場を手掛けている方向けにお薦めするコーナーです。基本的に仕込みから決済まで2〜3日を基本とし、最長でも1週間以内の投資を心掛け、仮に上がらなくても1週間以上は持たないことが原則となります。日経平均が連続して上昇するような地合いが良好な時や、反対に地合いが悪い時など投資する環境は常に同じではありません。その時の相場の地合いの強さや弱さを判断した上で柔軟な姿勢で売り買いしていただくことをお願いします。

1334 マルハ本社
チャートには過熱感もあり、純粋な投資対象には相応しくない銘柄と言えますが、ここからの押し目を狙ったスイング・トレードとしては狙っていけそうです。一昨日のザラバ高値358円から本日の安値295円まで僅か3日間で17.6%の急落を演じ、一見すると崩れたようにも見えますが空売りが増えていますので(売り残は前の週比172万株増加の812万株、買い残は前の週比71万株減少の342万株、倍率0.42倍)、ここからの下値は売り込みづらい状態にあります。加えて今期・来期業績の安定感と株価の割安感(PER17倍台)からも、相場全体が戻り基調に傾くとすれば再び350円台を目指した動きとなることも十分に予想されます。買いは310円〜312円でしょうか。

5631 日本製鋼所
昨日は安値で200日線に急接近、直後の本日はリバウンドしていますが、ほぼ200日線近辺で調整は完了したと思われます。モルガン・スタンレーのMSCI銘柄としての注目もありますが、好調だった前期業績に続いて今期もエネルギー開発関連需要に支えられて増収増益予想、来期も好調な見通しにあることで「好業績銘柄の押し目買い場面」としても関心を集めそうです。買いの狙いは659円〜664円でしょうか。

8830 住友不動産
売り叩かれたセクターですが、しかし、中長期的には買い場であり、また短期的にもリバウンド妙味が大いにあると思います。不動産セクターが大きく売られたのは要するに買われすぎていたからです。外国人投資家を中心にデフレ脱却期待から買い進まれてきましたが、米国経済のスローダウン観測に伴って日本経済もややデフレ脱却が遅れるとの見方が広がり、来週の日銀会合でもゼロ金利解除は見送られるとの観測が浮上しています。それでも大手不動産は各社共に圧倒的な競争力を背景に業績拡大の見通しにあり、これも日本製鋼所と同様に「好業績銘柄の押し目買い場面」として注目されそうです。買いの狙いは2530円〜2560円でしょうか。

9433 KDDI
引き続き秋からのナンバーポータビリティーによる加入者増への期待感が根強いことに加え、あしもとでも5月の携帯電話・PHSの契約者数で6カ月ぶりに首位となったことも下支え要因として注目できます。チャートも25日線を割り込んでいるとはいえ70万円を割り込むと戻すという70万円割れでサポートしようとする力が働くようです。信用倍率も0.48倍と売り長であり、全体が浮上する際には買い戻しを絡めながら勢いづく可能性が高いと予想します。再度突っ込んだところ69.5万円〜69.7万円が買いの狙いでしょうか。



今日の推奨銘柄(中期編)

中期狙いの投資を中心にお伝えしていきます。超短期の投資と違い、中期投資では、個別の銘柄の動向だけでなく、株式市場全体の流れも非常に重要な要素となってきます。株式市場全体の流れを知ることで、株式投資に対する多角的な見方を養うことができます。

2759 テレウェイブ(JQ)
テレウェイブはソリューション事業と情報機器販売を主力とする企業です。利益率の高いソリューション事業に加えて、更に利益率の高い中小企業向け支援が伸びています。事業の拡大に伴って大幅な人員増を行ったものの、人件費増をこなして利益拡大見通しです。今3月期は経常利益で前期比61%増、最終利益は同65%増と大幅な拡大が見込まれています。コスモ証券では、5月31日付けで、強気の投資判断「A」を継続、目標株価を40万円〜45万円としており、会社計画を上回る業績見通しを打ち出しています。株価はやや調整基調ながら25日移動平均線をサポートに底固い展開です。成長期待に対し株価の出遅れ感があり、40万円の大台突破に向けた上昇が見込まれます。


明日の上場銘柄


2929 ファーマフーズ(マザーズ)公開価格23万円・1株単位

機能性食品素材の研究・開発を手掛ける企業です。鶏卵や野菜などから生理活性物質を探し、機能性の実証や量産技術を確立しています。「GABA(アミノ酸の一種)」の売上高が6割を占めており、江崎グリコや日本コカコーラへ供給しています。自社工場は持たず、全製品を委託生産しています。機能性食品素材を応用した検査薬や、診断薬の開発にも取り組むとしています。今7月期は経常利益で前期の5.8倍、1.8億円を見込んでいます。企業価値の工場に全力を注ぐとして、3年間は無配の方針です。上場に伴う調達資金約21億円は、10億円を新本社兼研究所の建設に、その他借入金返済などに振り向けるとしています。公開価格のPERは118倍となります。市場拡大の期待できる機能性食品分野を手掛けて高成長しているほか、検査薬の開発を目指すなど、バイオ分野のような高成長が期待できる銘柄となっています。市場からの期待も大きく、初値からの人気化が見込まれます。

初値予想:46万円〜50万円


8885 ラ・アトレ(ヘラクレス)公開価格30万円・1株単位

中古マンションを改装して販売する事業を巣力に、新築マンション、戸建ての開発なども手掛ける企業です。開発物件は多岐に亘り、幅広い価格帯の物件を手掛けるものの、営業地域は首都圏の1都3県に集中させています。直近では不動産投資顧問業の登録を済ませ、不動産ファンド事業への参入を準備しています。今3月期は経常利益で前期比32%増の5億円を見込んでいます。今期は250円の配当を予定しており、今後も安定的な配当を実施する方針です。上場に伴う調達資金約2億6000万円は販売用不動産の購入など、運転資金に充てるとしています。公開価格のPERは17倍台となります。類似企業にはURBAN(8868)のPER11倍台などがあります。公開株数が1400株と少ないこと、内需関連株の一角として人気を集めそうです。

初値予想:45万円〜50万円




記載記事については、その内容において、正確性、信頼性、利益を保証するものではなく、原因のいかんを問わず一切責任を負いません。投資の最終判断、最終責任はご自身でお願いします。市場内外部要因により株価は予想に反して下落する場合があります。当社及び情報提供者は、本情報に基づいて被ったいかなる損害についても一切責任を負いません。投資については自己資金の範囲内で慎重に行うようにして下さい。

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発行元:有限会社アシストライフプランニング
担当:ファイナンシャルプランナー 久本伸治
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